AlphaFoldから見るタンパク質リン酸化部位の立体構造と機能
西 羽美 博士
お茶の水女子大学 基幹研究院 准教授(クロスアポイントメント)
東北大学 大学院情報科学研究科 准教授
【概要】
リン酸化は、タンパク質の翻訳後修飾の中でも最もよく観察される修飾である。一般に、リン酸化はタンパク質の配列と構造の両方の要因によって制御されていると考えられているが、リン酸化部位の一般的な構造的特徴を議論することは必ずしも容易ではなかった。というのも、リン酸化部位は天然変性領域に多く存在することが知られているが、こうした領域は実験的に決定された構造ではしばしば欠落しているからである。しかし、2021年にAlphaFold2およびAlphaFold構造データベースが突如公開されたことで、状況は変わりつつある。AlphaFoldのユニークな点は、その高い精度や新規の構造情報の拡充の点もさることながら、タンパク質の配列全長に渡って予測構造と予測の信頼度スコアを提供できる点にある。すなわち、構造領域と天然変性領域を一元的に扱うことができるという面で、これまでの構造予測とは一線を画すと言える。そこで、今回の発表では、AlphaFoldモデルを用いてリン酸化部位の構造的・機能的特徴がどのように理解できるかを紹介したい。
日時: 2023年2月17日(金) 13:30~14:30
場所: Zoom
連絡先: 理学系研究科 生物科学専攻 生物情報科学科
黒田 真也(skuroda AT bs.s.u-tokyo.ac.jp)
参加希望の方は
info.kuroda-lab [at] bs.s.u-tokyo.ac.jp
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